AIの力で従業員の生産性を高めるためにITチームが実施できる5つの取り組み
昨今の働き方が変わりつつある背景には、AI、デジタル環境の拡大、そして急速な組織の変化があります。これらはパフォーマンスを高める新たな機会である一方、複雑性、摩擦、ツールの未活用といった阻害要因のために生産性を下げることもあります。
成功を収める企業の条件として、全体的なビジネス目標とテクノロジー戦略を整合させることが挙げられます。ワークフローを合理化するだけで満足せずに、長期的かつ測定可能な形で従業員の生産性を高めていけるテクノロジーを導入することが求められます。 いかにしてテクノロジーの力で集中を高め、障壁をなくし、組織全体の生産性を最大限引き出すかが、ITリーダーに問われています。
テクノロジーの力で従業員の生産性を高める方法
1. 自動化とAIを活用した、ITワークフローの合理化
反復的なITタスクと手作業でのトラブルシューティングは、多くの時間を浪費し、生産性を低下させます。その改善には自動化とAIが有効です。定型的なプロセスを自動化すれば、テクノロジーリーダーは、真のビジネス価値を高める戦略的な取り組みに集中できるようになります。
一般的な使用例としては、チャットボット、自動チケットシステム、自動修復ワークフローなどが挙げられます。また、より高度な自動化においては、従業員が気付く前に問題の特定、トラブルシューティング、解決をエンドツーエンドで行えるようになります。
例として、強制再起動ポリシーについて考えてみます。ITチームが自動化されたワークフローを設計し、環境全体のデバイスをチェックして、既定の日数内に再起動されていないデバイスを探すとしましょう。まず、システムがポップアップ機能でユーザーに再起動を促します。指定時間内にユーザーが再起動しなかった場合には、ワークフローがエスカレートし、自動的な強制再起動が実行されます。これにより、人間の監視なしで、コンプライアンスの確保、パフォーマンス問題の抑制、セキュリティリスクの最小化を達成できます。
ITリーダーにとってのメリットの例:
- レベル1チケットと手動トリアージ要請の数を削減
- 先を見越した修正によって平均解決時間(MTTR)を短縮
- ポリシーの強制によってコンプライアンスとデバイスセキュリティを強化
- 定型的なサポートではなくイノベーション業務に使える時間が増加
2. テクノロジーの最大限の定着と利用
パフォーマンスを高めるためには、従業員が生産性向上ツールを効果的かつ自由に使えることが不可欠です。テクノロジーがあれば、これを達成しやすくなります。デジタルアダプションプラットフォームやAI利用状況モニタリングなどのソリューションを使えば、テクノロジーの価値を組織全体で最大限引き出すために必要なインサイトとガイダンスが得られます。
デジタルアダプションプラットフォームは、アプリ内ガイダンス、オンデマンドトレーニング、AIを用いた予測分析などの機能により、従業員が直面している問題をテクノロジーで解決します。これは不満の軽減、AIの定着率および生産性の向上に有用です。
従業員だけでなくITチームも、サポートチケットの削減とテクノロジーのスムーズな利用定着による恩恵を受けられます。 企業全体に視野を広げると、従業員がツールに関する知識を素早く習得してライセンスを十分に活用できることから、ソフトウェア投資のROIを最大化できます。
AIが日常業務に欠かせない存在となる中、組織全体でのAIの活用状況を可視化することも同じくらい重要です。 AI DriveなどのAI利用状況モニタリングツールを使えば、ITリーダーは、AIの利用状況、定着が進んでいない領域、および従業員の効果的な支援方法を可視化できます。 例えば、ユーザーがポリシー違反のAIツールを使ったことを把握し、承認済みのツールオプションへリダイレクトすることが可能です。 これにより、責任ある測定可能な形でAI利用を積極的に拡大し、今日時点での生産性を高めるとともに、将来に向けた優位性を確立していくことができます。
3. クラウドベースのコラボレーションツールとコミュニケーションツールの利用
Microsoft Teams、Zoom、Slackなどのコラボレーションプラットフォームは、今や業務に欠かせない生産性向上ツールであり、現代的な働き方を支える屋台骨となっています。シームレスなコラボレーションを実現できるかはこれらのツールに依存するため、そのパフォーマンスの問題は生産性に直接影響を及ぼします。
昨今のコラボレーションプラットフォームは、業務効率化を支援する高度な生産性向上機能を備えています。 例えば、Copilot for Microsoft Teamsなどのツールは、ミーティング内容の要約、アクションアイテムの抽出、チャット返信の提案が可能です。 これらの機能は生産性を大幅に高めてくれますが、プラットフォームへの依存度が強まる結果、障害の発生時における従業員の生産性への影響も大きくなってしまいます。
ITリーダーとEUCリーダーにとっての真の課題は、これらのプラットフォームを利用する従業員向けに、どうすれば摩擦のないスムーズなエクスペリエンスを提供できるかです。そのためには通話品質、接続性、およびパフォーマンスのモニタリング(それもグローバルレベルだけでなく、個々のユーザー、デバイス、ロケーションのレベルでのモニタリング)が求められます。
例として、ネットワーク問題が発生した状況を考えてみましょう。オフィスから通話品質の低下が報告された場合には、コンテキストデータに基づき、ネットワーク障害、デバイスの設定ミス、単にWi-Fiルーターと従業員の距離が遠すぎる、等の原因を解明できます。ITチームがCollaboration Experienceなどのツールを利用すれば、包括的な可視化によって問題を迅速に診断して解決し、生産性の低下を未然に防ぐことが可能になります。
4. データに基づく意思決定の強化
ITチームの仕事は、システムの稼働維持だけではありません。ITリーダーはテクノロジーを使えば、トラブルシューティングに追い回される日常から脱却し、戦略的なビジネスパートナーのポジションへと進化するためのインサイトと影響力を獲得できるようになります。
ITチームは、デバイスの性能不足、帯域のボトルネック、未利用ソフトウェアなど、従業員が直面している摩擦の原因を把握することで、業務を妨げる障害を未然に解消できるようになります。
適切なデータと可視性があれば、ITチームは自信を持って以下のようなビジネス上の意思決定を支援できます。
- 投資対象の絞り込みにより、デバイスの更新や帯域強化などの形で、従業員の生産性を直接的に強化
- 従業員の業務の実態に即したソフトウェア開発により、ツールの利用率を最大化
- テクノロジーの活用方法に関して経営幹部に的確な情報を提供することで、パフォーマンスを向上させ、イノベーションを推進
テクノロジーのパフォーマンスと従業員の成果を直結させることにより、ITチームは業務のスマート化を支援し、従業員の生産性、効率、満足度を高める原動力としての地位を確立することが可能になります。また以上の結果、更なる摩擦の除去と生産性の向上に向けた投資やイニシアチブの方向性について、リーダー向けに明確な意見を提示することにより、経営判断内におけるITチームの重要性も高まります。
5. 持続的な学習とスキル開発の文化の醸成
テクノロジーが急速に進化する世界にあって生産性を維持するためには、従業員が常に最新のスキルを習得しなければなりません。従業員は、持続的な学習と適応を通じ、もっと効率的に働き、新しいツールを素早く受容できるだけでなく、組織全体としてもイノベーションを推進する能力が高まります。
テクノロジーは、このプロセスで重要な役割を果たします。AIを用いた学習プラットフォーム、パーソナライズされた学習ジャーニー、そして日常的なワークフローに直接組み込まれたマイクロラーニングモジュールにより、有意義かつ実践的な学習を容易に実現できます。これらのツールは、従業員の生産性を妨げないスキルアップと、最新テクノロジーの効果的な利用方法の習得のために役立ちます。 その結果、従業員が持続的に能力を高めて変化に素早く適応し、自身のスキルを活かして効率と業績の改善を両立させることが可能になります。
考慮すべき点として、持続的な学習を通じて成功を収めるためには、人事部門とITチームがしっかりと足並みを揃える必要があります。そうしてビジネス目標と合致した戦略的設計の学習プログラムを用意し、日常業務にシームレスに組み込んでいくことが大切です。
AIによる従業員の生産性向上の価値を最大化
上記のような自動化とAI、デジタルアダプション、持続的な学習といった戦略は、ITチームが従業員の生産性の大幅アップに貢献できることを示しています。 しかし、これらのソリューションは単体では成果をもたらしません。従業員が変化や今までと異なる働き方を受け入れるマインドセットに転換することこそが、成功への第一歩となります。
この変革においては、リーダーが重要な役割を果たします。経営幹部は、働き方を変える目的とメリットを明確に説明しなければなりません。他方、従業員は変化を進んで受け入れて学ぶことが求められます。また、テクノロジーの効果的な利用定着のため、適切なプロセス、ガイダンス、サポートを組織として提供する必要もあります。
スキルのある人材、最適化されたプラクティス、高性能なプラットフォームを組み合わせれば、ITは、システムを管理するだけの部門から脱却して、従業員の生産性を高める戦略的な原動力へと進化し、企業全体で測定可能な価値を生み出せるようになります。
生産性を引き出すNexthink
Nexthinkは、デジタル環境の包括的な可視化によってITチームに貢献します。あらゆる状況を明確化することで、従業員の生産性に影響が及ぶ前に、問題の検出、診断、解決を行えるようにします。
ITチームは、リアルタイムでの問題検出、根本原因の診断、AIを用いた問題解決などのプラットフォーム機能を用いて先を見越した対応を取ることで、摩擦を事前に解消し、従業員が高価値業務に集中できる環境を整備することが可能になります。
Nexthinkは、従業員の生産性向上と、企業にとっての真の戦略的パートナーとしてのITチームの地位確立を支援します。詳しくは製品デモでご体験ください。